2019年10月31日深夜、炎に包まれた首里城。
沖縄の象徴であり、琉球王国の歴史そのものであった首里城が焼け落ちていく映像は、多くの人の心に深い悲しみを刻みました。
あの日から5年以上経ち、首里城は力強く再建への歩みを進めています。
2026年に新正殿が完成予定。その後も続々と再建される予定です。
復活はもう目の前です。
この記事では、
- 火災前の首里城の美しい姿
 - 再建中の首里城の姿(2022年)
 - 首里城のチケットとアクセス情報
 
を、写真とともにお伝えします。
写真で振り返る火災前の首里城
火災前の首里城の姿を振り返ります。
鮮やかな朱色 青い空とのコントラスト そして琉球王国の栄華を物語る壮麗な装飾
これらは記憶と写真の中で永遠に生き続けます。

首里城と沖縄本島に点在する琉球王国のグスク群は、世界遺産に指定されています。
これは歓会門です。正殿にたどり着くまでに数多くの門をくぐりますが、これが最初の門です。
読んで字のごとく、「歓迎する」という意味を持ち、中国からの使者などを歓迎するために使われました。

これは奉神門です。首里城独特の朱色で塗られた木造の建物に入口が設えられています。
ここをくぐれば御庭(うなー)です。

首里城の火災では、奉神門の屋根の一部も燃えましたが、懸命な消火活動により、全焼は免れました。

これが首里城正殿です。琉球王国最大の木造建築物だった正殿は、日本の技術と中国の様式が融合した、独創的な建造物でした。
いくつもの門を超え、入場料金を支払い、やっと正殿を見ることができました。
この日は何か工事をしていました。
正殿は、2019年10月31日、火災で全焼し、現在再建工事が行われています。

これは正殿二階の御差床(うざすか)。国王の玉座です。椅子が硬そうですが、座布団でも敷いていたのでしょうか。肘掛けも金、額縁の「中山世土」も金、柱の龍の蒔絵も金。

豪華絢爛な玉座は格好の写真撮影スポットになっていました。

これは書院・鎖之間の庭園です。きれいに手入れがされています。
書院は国王が日常の執務を行った建物。鎖之間は、王子などの控所で、重職の者とのコミュニケーションの場だったといわれています。

首里城内部の様子です。建物の内側も朱塗りされています。枠が細かく区切られた障子の形が独特です。

焼失前の首里城は、展示も充実していました。首里城での冊封の様子の模型です。
柵封とは、明または清国王の名で行われていた琉球国王の即位式のことです。

これは朝拝御規式の模型です。
元旦に首里城で行われていた儀式です。国王をはじめ重要な閣僚が何列も並ぶ壮大な儀式でした。ミニチュアでも、壮大さが伝わってきます。

首里城は高台にあり、那覇市を一望できるスポットです。

再建中の首里城正殿(2022年)
焼失の悲劇から立ち上がり、2026年の完成を目指して再建が進む首里城正殿。
再建工事は「見せる復興」を実践しています。
ここでは、基礎工事が進んでいた2022年現在の様子と遺構を貴重な写真とともに振り返ります。
今では正殿が建ち、内部の復元工事の公開が終了していますので、この風景はもう見られません。

2025年6月9日以後、復元工事の最新状況や職人の活躍は有料区域内の首里城復興展示室や世誇殿に展示されています。
こちらは正殿の再建現場です。土台を作っている真っ最中でした。

これは正殿の基礎部分の石積です。
首里城はこれまで7回にわたって建て替えられてきました 。
この石積は、首里城を象徴する遺構として、昭和の復元の際保存されていたものです。
火災後、焼け落ちた木材や灰を撤去し、石積を保護する処置をしています。

再建工事にあたっても、保全のため石積の周囲は窓付きのプレハブで覆われていました。

これは礎石と石高欄です。
礎石は柱を支え、石高欄は建物の周囲や橋などの両側に設けられました。
どちらも火災に耐え、建物の工事が始まるまでの間、部位を示すプレートを付けて展示されていました。

これは正殿の出入りに使われた石階段です。これも火災に耐えました。

首里城見学の料金・割引チケット
(2025年10月現在の情報です)
個人の場合、大人 400円 / 高校生 300円 / 小中学生 160円 / 6歳未満無料

ゆいレールの有効期間内の1日・2日乗車券を持っていると団体料金(約2割引)になります。
首里城にはオンラインチケットもあります。当日券売機に並ぶ必要がなくスムーズに入場できますので、時間を節約したい方にオススメです!
首里城へのアクセス
車
那覇空港から
- 国道331号に出て道なりに国道332号・国道58号を進む
 - 泊交差点で右折し、県道29号を直進
 - 池端交差点で右折し、道なりに進むと地下駐車場入口が2箇所
 
地下駐車場は有料です。
公共交通機関
ゆいレール首里駅から徒歩15分
- 龍潭通りを直進して池端交差点を左折
 - 首里城前交差点を左折し守礼門へ
 
やや遠回りですが、このルートで拝観順路に沿って回れます。
おわりに
首里城の復興は、単なる建築物の修復ではなく、琉球の魂を未来へ受け継ぐ文化継承プロジェクトです。
正殿は2026年に完成予定ですが、北殿や南殿を含めたすべての再建のめどはまだ立っていません。
しかし今、首里城を訪れれば、困難を乗り越える不屈の営みと、伝統技術を守り抜く職人の情熱に直に触れることができます。再建工事中の今だからこそできる体験です。
ぜひ、琉球の魂が再び輝く瞬間を目撃する旅に出かけてください。
一足伸ばしてみませんか?
首里城の周りには、玉陵(たまうどぅん)・石畳道・金城ダムなど、見どころがたくさんあります。少し足を伸ばせば新たな発見があるかもしれません。
 



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