成田駅から表参道を歩いて、成田山新勝寺へ行く―正月や節分ににぎわう定番ルートです。
ですが、新勝寺へ向かう裏道にも違った魅力があります。
今回は、桜の季節の成田山を巡りながら、成田駅と結ぶ2つのルートを制覇する日帰り旅の前編です。
- 【前編】成田駅からスタートし、裏道の電車道を通って新勝寺を巡る
- 【後編】成田山公園を巡り、表参道から成田駅に帰る
今回のルート
今回のルートはこちらです。
赤いピン(前編)
左下の成田駅を出発して地図右下の栗山公園に寄り、電車道を通って成田山新勝寺に向かいます。新勝寺の中を巡るところまでが前編です。
青いピン(後編)
新勝寺に隣接する成田山公園に入り、外周を周ります。新勝寺の中を通って総門に戻り、今度は表参道を通って成田駅に戻ります。
今回は、長距離で階段が多い道のりになりました。
こんな旅には足の疲れを軽減してくれるウォーキングシューズが必須です。また、クッション性の高いインソールもおすすめです。
旅の始まりは成田駅から

成田山観光は、まず成田駅を目指します。JRの改札を出ると、新しいビルが立ち並ぶ整備された広場が広がっています。この日は快晴で、朝日が眩しい🌞

約200m離れたところに京成の成田駅もあります。
駅前広場の片隅に「表参道」と書かれた柱と、そのてっぺんに踊る人形が立っています。
奥に見える交差点から、新勝寺へのメイン参道「表参道」が始まることを案内しています。新勝寺は成田屋の菩提寺であり、歌舞伎役者をイメージした人形でしょう。
表参道は帰りに通ることにして、ここは素通りします。

鉄の塊に宿る生命力:栗山公園のD51
表参道を素通りして成田駅から市街地へと少し歩きます。
成田市役所の筋向かいに広場のような公園があります。これが栗山公園です。
ここは桜の名所ですが、鉄道との関連が深い場所でもあります。
ミニSL体験
栗山公園にはミニSLが走っていて、乗ることができます。この日は運転していなかったので、人もSLもない広場を存分に見てきました。

ミニSLの運転日はだいたい月1回。運行カレンダーはこちらをご覧ください。
これが駅です。踏切もあり、ベンチが整備されている立派な設備です。

踏切からレールを眺めました。細いですが、しっかりとしたレールが延びています。駅にはベンチも備え付けられています。

SLの車両を探しましたが、車庫には見あたりませんでした。普段は貨車の中にしまってあるのかもしれません。足元には線路のポイントがあります。本格的なつくりです。

日本を牽引した機関車D-51の展示
栗山公園には、鉄道遺構も展示されています。昭和時代前半に日本を縦横に駆け抜けた蒸気機関車D-51(デゴイチ)です。屋根付きの車庫のような場所で保存されているため、傷みもなく、現役当時そのままの姿で立っています。

側面から見ると、車輪や蒸気室を間近に眺めることができます。

ミニSLの車庫にある貨車を横から。こちらは、今でも倉庫として使われているようです。

咲き誇る桜と鉄道の橋梁
栗山公園の周囲には桜が植えられており、この日は🌸満開の桜🌸に包まれていました。

さらに面白いのは、栗山公園を京成の線路が横切っていること。D-51の上を現代の電車が通過していくシーンを見られます。

明治の記憶を歩く:赤レンガの「電車道」
栗山公園から、成田山新勝寺へと続く参詣道「電車道」が始まります。この電車道は、かつて成田山新勝寺へと続いていた「成宗電気軌道」の線路を転用した道路です。歩行者中心の表参道とは異なり、片側1車線の幅が確保されています。

成宗電気軌道は、1910年(明治43年)開業、1944年(昭和19年)廃止。成田市内で成田山新勝寺へのアクセスを担ってきた鉄道です。
もともと表参道に路面電車を通す計画でしたが、地元の意向で別線で迂回する構造になりました。
桜のトンネルが出迎え

電車道に入るとすぐ、桜のトンネルが迎えてくれます。よく見ると、桜が植えられている場所が凹んでいます。桜が育つスペースがとられていると同時に、人が桜を見るスペースにもなっており、多くの人が桜を背景に記念撮影をしていました。

現代に残るレンガの鉄道トンネル
電車道には、成宗電気軌道当時の面影を残すトンネルが2つ残っています。成田駅から歩くと、成宗電車第2トンネル→成宗電車第1トンネルの順に現れます。
これが成宗電車第2トンネルです。当時のレンガ積みがそのまま残っています。

こちらは成宗電車第1トンネルです。トンネルというより橋の趣です。

第1トンネルの中から1枚。ここにも桜が。電車道にはあちこちに桜が植えられており、まさに春爛漫です。

2つのトンネルは、土木遺産として認定されています。成宗電車第2トンネルに、土木遺産であることを示す銘板が埋め込まれています。

次第に寺町の色彩が濃くなる
電車道の終点間近、塔が見えてきました。これは、新勝寺で最も大きな平和大塔です。

電車道の終点です。ここで表参道にぶつかります。このあたりから門前の商店が広がっています。左に曲がるとすぐ、成田山新勝寺の総門があります。

成田山新勝寺ー1100年もの歴史を持つ名寺を歩く
参拝者を出迎える総門と仁王門
電車道の突き当たりを左に曲がるとすぐ、成田山新勝寺の入口・総門があります。平日でしたが、意外に人がいます。外国人もちらほら。長い休日に日本の古刹を楽しみに来たようです。
総門の奥に早速階段が延びているようです。

総門から見えた階段がこちらです。階上にあるのが重要文化財の仁王門です。仁王門の象徴が、真ん中の提灯。「魚がし」と書いてあります。

仁王門をくぐると、両脇に池があります。この池は亀が泳いでおり、亀の形の岩も置かれています。この池をすぎるとまた階段があり、階段を登るといよいよ本堂の前にでます。

壮麗な堂に刻まれた1000年の歴史
門を通り抜けると眼の前に立っているのが大本堂です。建立は1968年と、意外に新しいです。新勝寺の本尊は不動明王。ここで毎日護摩を焚いています。

極彩色の三重塔
大本堂の右脇にあるのが1712年に建立された重要文化財・三重塔です。豪華絢爛な装飾が雲一つない青空に映えます。1983年に復元されて今の姿になりました。派手な装飾に少し近づいて見てみます。

極彩色というのはこういう色のことでしょう。雲文を浮き彫りにして鮮やかに塗られています。壁には十六羅漢彫刻、骨組みの先端にも龍の彫刻がほどこされ、これでもかというほどあらゆる場所がていねいに飾られています。

意外と新しかった聖徳太子堂
三重塔から少し奥に入ると聖徳太子堂があります。朱塗りが新しいと思ったら、平成に入ってから、1992年建立です。法隆寺の夢殿を思わせる八角形のお堂です。

聖徳太子堂の中を格子越しに覗いてみました。これが聖徳太子像のようです。

江戸時代の建築を巡る
少し脇道にそれましたが、順路に戻って境内を奥に進みます。現れたのが釈迦堂です。釈迦堂は、1858年建立の旧本堂で、重要文化財に指定されています。三重塔や聖徳太子堂とはうって変わった、少し落ち着いたたたずまいです。

これは額堂です。信徒から寄進された額や絵馬がここに掲げられます。これも重要文化財です。そして、額堂の柵に近づいて内部を覗き見ると…

7代目市川團十郎の像が安置されています。成田屋というくらいで、市川宗家は昔から新勝寺に帰依しています。そう言えば、新勝寺の節分では、毎年市川團十郎がやって来て豆をまいています。

額堂のそばに立つのが光明堂。1701年建立の旧々本堂、重要文化財です。正面は色褪せていてわかりにくいですが、朱塗りの結構派手な建物です。

光明堂を横から見てみます。確かに朱塗りです。

圧倒的スケールの終着点:平和の大塔
境内の一番奥まで進みます。境内で最も高い場所に、高さ58.3mの巨大な平和大塔があります。1984年に建立されたこの大塔は、青空を突き刺し、新勝寺全体を睥睨するかのようにそびえ立っています。
表参道・新勝寺・成田山公園…、成田山には写真に収めたい風景がたくさんあります。シャッターを切っていると、あっという間にバッテリーが赤色に…。
軽くて大容量のモバイルバッテリーを準備しておくと安心です。

平和大塔の脇に、長い下りの階段があります。階段を降りると西洋式の庭園が設えられており、ここから平和大塔をはるか高く見上げることができます。

この庭園の両脇にも桜が植えられています。桜越しに見上げる平和大塔も、4月ならではの素晴らしい風景です。

成田山新勝寺のインフォメーション
| 公式サイト | 大本山成田山 |
| 営業時間 休館日 | 境内には24時間365日入れます |
| 拝観料 | なし |
| 駐車場 | あり |
一足伸ばしてみませんか?
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