沖縄本島南部には、戦争の記憶を今に伝える数々の戦跡が残っています。
本記事では、海軍司令部壕・ひめゆりの塔・平和祈念公園を実際に訪れ、写真とともにご紹介します。
観光地として、また平和を考える旅の両面を感じられるスポットです。
沖縄南部の戦跡は那覇市街から車で30〜40分の場所に点在しています。
公共交通は不便なので、レンタカーの予約をしておくと効率的に回れます。
海軍司令部壕
海軍司令部壕は、昭和19年、那覇の郊外の豊見城市に、来たるべき沖縄戦に向け旧海軍設営隊が掘ったものです。
高台にあり、見晴らしが良い場所です。周辺は公園として整備されています。
壕内は冷たく湿った空気に覆われた静かな空間で、当時の緊張感を想像させました。
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海軍司令部壕の写真
まず、海軍壕公園から那覇市街で、1枚撮りました。

これは旧海軍司令部壕の内部です。
同じ沖縄の戦跡でも、自然壕を利用していた野戦病院とは違い、海軍司令部は人工的に掘ったものです。この廊下の形からも人工的な感じが見て取れます。
海軍司令部壕は戦後しばらく放置されていましたが、昭和45年になって、一部が復元・公開されました。人一人がやっと通れる程度の狭い廊下が網の目のように掘られています。

ここは海軍司令部の中枢の司令官室です。
壁面に、総司令官大田實中将の愛唱歌「大君の御はたのもとに死してこそ人と生まれし甲斐ぞありけり」や、「神州不滅」の文字が書かれています。
退色を防ぐため、プラスチック板で被覆されています。

「神州不滅」の文字のアップです。文字が見やすいよう写真を加工しています。

ここは幕僚室です。大田實中将以下幕僚がここで自決しました。
壁の傷は、自決の際、手榴弾の破片が刺さってできたものです。

大田中将が自決の直前に多田武雄海軍次官に宛てた、有名な電報です。
沖縄県民の献身的な協力を訴え、「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」と結んでいます。

海軍司令部壕へのアクセス
海軍壕跡は那覇市街の近くにあり、交通の便がよいです。
那覇からであれば、お散歩がてらちょっと歩いて行って来る、ということもできます。
ただ、限られた時間で数ある南部の観光スポットを回るなら、観光バスがオススメです!
車
モノレール奥武山公園駅から県道7号線で豊見城方面。車で10分です。

奥武山公園駅から徒歩で30分です。
散歩を兼ねて訪れるのもGood!
路線バス
奥武山公園駅最寄りの山下バス停から55番または98番で10分、宇栄原団地前で下車。
バスは日中1時間に2~3本出ています。また、55番・98番ともに那覇バスターミナルでも乗車できます。
ひめゆりの塔
昭和20年3月に、沖縄師範学校女子部・県立第一高等女学校の教師・生徒が陸軍野戦病院に配属されました。その後彼女たちは負傷した軍人を献身的に看護します。
しかし、戦局は悪化し、彼女たちの多くが悲劇的な死を遂げました。
戦後、遺骨が収集されて慰霊碑が建てられました。
海軍指令部壕跡とは異なり、壕の内部は公開されていませんが、資料館があります。犠牲となった教師・生徒全員の遺影や、生存者の証言コーナーがあり、見ごたえがあります。
ひめゆりの塔の写真
これがひめゆりの塔の慰霊碑です。
沖縄本島南端の壕のうち犠牲者が最も多かった第3外科の入口がひめゆりの塔として公開されています。
銘板には犠牲となった教師・生徒全員の名前が刻まれています。
木が生い茂っていますが、これは、戦後植えられたものです。

これが第三外科壕の入口です。ひめゆりの塔の脇から撮影しました。
この先は非公開です。

ひめゆりの塔へのアクセス
ひめゆりの塔は沖縄本島の南端近くにあり、那覇からは少し遠いです。
とは言え、現在はバイパスが整備されたため、那覇中心部から30分程度で行けます。
限られた時間で数ある南部の観光スポットを回るなら、観光バスがオススメです!
車
那覇バスターミナル(旭橋駅)から、国道331号で約30分です。少し足を伸ばせば平和祈念公園です。

糸満までバイパスができ、楽になりました。
路線バス
那覇バスターミナルから89番などで糸満バスターミナルまで行き、82番に乗り換えてひめゆりの塔前で下車。
片道1時間以上かかり、本数もあまりありません。事前にバスの時間を確認しておくとよいでしょう。
平和祈念公園
沖縄戦の終末、日本軍が最後に立てこもったのが、本島南端の糸満市にある「摩文仁の丘」です。
昭和20年6月23日、この地で牛島満陸軍中将がここで自決し、日本軍の組織的な戦闘が終結しました。
沖縄平和祈念公園は、この摩文仁の丘の近くにあります。
高台にあるため、見晴らしが良いところです。
公園には平和祈念堂・資料館・慰霊碑などの施設が多数整備されています。
観光バスで回ったため、残念ながら時間の都合で平和祈念資料館に入れませんでした。
平和祈念公園の写真
これは平和祈念堂です。
7角形のモニュメントで、堂の中には、山田真山作の高さ12mの仏像(沖縄平和記念像)が置かれています。山田真山は沖縄出身で、アジア・太平洋戦争で長男と次男を失っています。

これは、沖縄県平和祈念資料館です。
時間の関係で入りませんでしたが、沖縄戦に関連する軍関係文書や個人所蔵の文書、ひめゆり学徒の手記などが収蔵・展示されているそうです。
沖縄の民家をモチーフにした比較的新しい建物です。

資料館を裏から見るとこんな感じです。かなり大きいですね。
手前に並んでいる黒い石板は平和の礎です。

平和の礎の銘板です。
この周囲に、日中戦争からアジア・太平洋戦争で亡くなった沖縄出身の20万人もの犠牲者の氏名が刻まれた碑が立っています。

このように、平和の礎が辺り一面に碑が立ち並んでいます。20万人の犠牲の重さと平和の尊さを感じる場所です。

これは平和の丘です。
毎年6月23日、この場所で「沖縄全戦没者追悼式」が行われます。このモニュメントには献花ができます。

平和祈念公園は海岸付近の丘に立つ、見晴らしの良い場所です。展望台からは摩文仁の丘や東シナ海が一望できます。
これは平和祈念公園の展望台から見る摩文仁の丘です。玉砕のとき、この丘から多数の人が海に飛び降り自決しました。

同じ場所から方向を変えて東シナ海を撮影しました。

台地で風が強いためか、近くに風車が3台建っていました。

平和祈念公園へのアクセス
平和祈念公園は沖縄本島の南端近くにあり、那覇からは少し遠いです。
とは言え、現在はバイパスが整備されたため、那覇中心部から30分程度で行けます。
限られた時間で数ある南部の観光スポットを回るなら、観光バスがオススメです!
車
那覇バスターミナル(旭橋駅)から、国道331号で約35分です。途中にひめゆりの塔があります。

最短経路より海沿いのバイパス経由の方が楽です。
路線バス
那覇バスターミナルから経路がいくつかあります。代表的な経路を挙げますが、路線検索で確認する方が良いでしょう。
- 89番などで糸満バスターミナルまで行き、82番に乗り換えて平和祈念堂入口で下車。
 - 50番などで具志頭まで行き、82番に乗り換えて平和祈念堂入口で下車。
 
片道1時間以上かかり、本数もあまりありません。事前にバスの時間を確認しておくとよいでしょう。
お得に回るなら観光バスやツアーが便利
沖縄本島南部には、海軍司令部壕のほかにも、平和祈念公園やひめゆりの塔、おきなわワールド、斎場御嶽など、さまざまな観光スポットがあります。
観光バスをうまく活用すれば、これらのスポットを1日でまとめて訪問できます。
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那覇からバスで日帰りできる北谷とおきなわワールドも是非周りたいスポットです!
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