那覇から東へ約360km。プロペラ機で1時間余りの場所に南大東島はあります。
かつては🏝️絶海の孤島🏝️と呼ばれ、外海を越えないと辿りつけない島。
南大東島は、サンゴ礁が隆起してできた島で、断崖に囲まれています。その姿は、『深海にマッチ棒が立っているようだ』といわれます。
さとうきび畑が島の大部分を占め、大東糖業の工場の煙突と風車が遠くに見える風景が印象的です。
南大東空港 ― 那覇から1時間
南大東空港は、島の東部に位置する1500mの滑走路1本だけの小さな空港です。
那覇空港から琉球エアコミューターのプロペラ機が1日1便運航しています。
プロペラ機でのフライトは、離陸の瞬間から離島の雰囲気を味わえます。
プロペラ機で南大東島に到着しました。ボーディングブリッジはなく、滑走路に降りて歩いてビルに向かいます。

プロペラ機を降りて100mほど歩くと空港ビルに着きます。

これは外から見た空港の滑走路です。普通は空港施設の境界には柵が立っていますが、ここには策はありません。外国の地方空港のようなのどかな風景です。

滑走路を別の角度から。畑の真ん中を切り開いてできた滑走路だとわかります。

さとうきび畑が並ぶ島の風景
どこまでも続くサトウキビ畑。収穫期は、刈り取り機の音とともに風が吹き抜け、製糖工場の煙突から白い蒸気が上がります。
島の南端にある日の丸山展望台に登ると、島全体を一望できます。
一面の畑、そして大東糖業の🏭️煙突🏭️が見えます。遠くには緑の帯が、そして水平線と緑の帯の間に少しだけ太平洋が見えます。
南大東島は、島の周囲が環状の高台で、中央部が凹む地形となっています。高台の木が、緑の帯となって見えているのです。

太陽の光が強い日中は、PLフィルターを使うと空と畑の色が美しく際立ちます。

大東糖業 ― 島を支える基幹産業
南大東島を代表する施設が大東糖業の工場。
明治時代、八丈島からの移住者が開拓を始めて以来、現在もサトウキビから黒糖や砂糖を製造する産業が続いています。
工場の白い煙突には「さとうきびは島を守り島は国土を守る」との文字が。離島で産業を維持することへの矜持が感じられます。


断崖と港 ― 荒波に守られた絶海の孤島
南大東島の外周には垂直に切り立つ石灰岩の崖が続いています。
砂浜はなく、波打ち際まで降りられる場所も少数です。
塩屋海岸
ここは、南大東島の南西側にある塩屋海岸です。この数少ない海岸には、珊瑚をくり抜いて人工のプールが作られています。プールを一歩出たらそこは海の断崖絶壁です。

冬の季節風の強い日だったため、海は荒れ、高い飛沫が上がっていました。

これは塩屋海岸に降りる坂道です。崖を削って坂道を通したことがわかります。

激しい波が打ち付ける海岸
別の海岸でも、高い波が崖を打ちつけていました。


南大東島の西港
南大東島の西港は、切り立った崖の間に造られた港です。
この港に着いたフェリーは、人と荷物をコンテナに載せ、クレーンで吊り上げて陸に降ろします。
めったに見られない珍しい光景が見られる場所です。

島づくりの記憶 ― 上陸の碑と開拓百年の歩み
西港の近くに、「開拓上陸の地」碑と「開拓百周年記念碑」が立っています。
1900年(明治33年)、八丈島から渡ってきた人々が南大東島に初めて上陸し、サトウキビ栽培と製糖業を軸に、開拓が始まりました。
断崖に囲まれたこの島では、人も物も簡単には出入りできず、厳しい環境の中での島づくりでした。
開拓から百年を経て建てられた記念碑には、「島の歴史を次の世代へ」という思いが刻まれています。


南大東島の自然 ― 星が降る島
サンゴでできた南大東島の地下には星野洞という巨大な鍾乳洞が広がっています。
幻想的なライトアップと、美しく連なる石柱は必見です。
また、島の夜はとても静かで、街明かりが少ないため星空観察にも最適。
サトウキビ畑の向こうに広がる星々は、まるで海と空がひとつになったかのような錯覚を覚えます。

星野洞や夜の星空観察には、歩きやすい靴で行くと安心です。

南大東島地方気象台では、1日2回、気球を飛ばして観測をしています。
朝8時半の観測を見学することもできます。

南大東島グルメガイド
「南大東島の味」3選
南大東島の「ここでしか食べられない味」―素朴で力強い、島の食文化を代表する3つのグルメを紹介します。
大東寿司
南大東島を代表する郷土料理といえば大東寿司です。
地元で獲れるカジキやマグロなどを甘辛いタレに漬け、シャリの上にのせた握り寿司です。
辛味は練りわさびが使われます。
濃いめの味付けが特徴で、泡盛や地酒との相性も抜群。お土産用のパックも島の商店でも購入できます。

大東寿司は那覇空港でも販売している大人気商品です!
黒糖スイーツ
島の特産である黒糖は、ケーキ・アイス・かりんとうなど、さまざまなスイーツに加工されています。黒糖を使ったスイーツは、お取り寄せでも楽しめます。
南大東ラム酒「COR COR」
南大東島のサトウキビから作られる黒糖を原料にした、国産ラム酒ブランドが「COR COR」。
青ラベルと赤ラベルの2種類があり、香り高く、ストレートでもカクテルでも楽しめます。
お土産としても人気で、空港売店や通販で購入可能です。
南大東島の食堂
南大東島の食堂は多くありません。ここでは主要な食堂をピックアップしました。
しかし、一つひとつが地元の人と、旅人どうしの交流できる温かい場所です。
| 店名 | 特徴 |
|---|---|
| 大東そば いちごいちえ | 大東そばセットが定番。ランチ・夜あり |
| お食事処 光 | そば・定食・チャンプルーなど。島の食堂の雰囲気。ランチあり。 |
| ちょうちん | 泡盛と島料理。夜に賑わう憩いの場。夜営業・不定休。 |
| 南大東村漁業組合 | 海鮮丼や定食。ランチ・テイクアウトあり。 |
南大東島のアクセス
南大東島へ行く
飛行機
南大東島には本土からの直行便はありません。那覇空港との間に1日1往復、JAL系の琉球エアコミューターが運航しています。
船
那覇から南大東島・北大東島へのフェリーが週1往復出ています。寝台付きのフェリーで船内で1泊します。

台風でなくてもシケで欠航することがあります。船旅好きの人や、時間に余裕のある人に向いています。
2025年10月現在の標準ダイヤはこちらです。最新の出発予定・予約は大東海運のホームページでご確認ください。
- 17:00那覇出港
便により、泊埠頭発の場合と那覇新港埠頭発の場合があります。
- 9:00南大東島着(または北大東島着)
便により、南大東島先着と北大東島先着があります。
- 10:00北大東島着(または南大東島着)
- 14:00南大東島出港(または北大東島出港)
便により、南大東島先発の場合と北大東島先発の場合があります。
- 15:00北大東島出港(または南大東島出港)
- 7:00那覇着
便により、泊埠頭着の場合と那覇新港埠頭着の場合があります。
南大東島を回る
南大東島には、バスやタクシーはありませんので、移動手段はレンタカー・自転車・徒歩になります。

空港と宿の間は、宿泊施設から送迎車が来てくれますので安心してください。
レンタカー
南大東島にはレンタカーショップがあります。事前に予約しておくとスムーズです。
自転車
小さな島ですので、自転車があれば十分回れます。
多くの宿にレンタサイクルがありますので相談してみるとよいでしょう。

特にさとうきびの収穫期(12月~4月)は、狭い道をダンプカーが行き交います。安全に十分注意してください。
一足伸ばしてみませんか
沖縄には素敵な離島が数多くあります。まだ行ったことのない離島の風を感じてみてください。
石垣島と、船で20分の竹富島は、沖縄の原風景が広がる癒やしのスポットです!
竹富島なら水牛に乗って半日ガイドツアーという贅沢もできますよ!


石垣島から船で40分の西表島。島のほとんどがジャングルに覆われ、イリオモテヤマネコなど独自の生態系が生きている島です。
宮古島、そして橋でつながる伊良部島・下地島まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?













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